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ゆぎりん島に雪が降った日 [おはなし]


リヴリーの住む箱にはいろいろな不思議がつまっている。
たとえばひんやりしているのに寒くない島。
そして降り積もる雪も。

さらさらと淡い雪。
どんどんといつまでも降っているのに積もらない。
ゆぎりんは飽かずそのさまを見つめる。

「…きれい」

ほう、とため息をつきうっとりと目を細める。

せっかくなのでこの雪と島にふさわしい姿をとってみた。
今年のクリスマス生まれのリヴリー、ワングに。

「あらら?ふしぎな色になっちゃった」

ふだんは赤い小さなパキケの少女は、毛並みをふんふんと嗅ぐように見回して、ぴょこんと跳ねてみる。
濃い青みがかったグレイの毛並みにまた一片雪が舞い降りた。


この雪は誰の島にも降るわけではない。
島に雪を降らせるには特別なアイテムが必要なのだ。
それは、ゆぎりんがまだフラスコの中でたゆたうよりもずっと前に配布されたアイテムで、現在は販売されていない。もっとも、マイショップと呼ばれる個人のお店で法外なddと引き換えになら手に入ったかもしれない。
けれど、子供たちをおいて自分だけが高額な特別アイテムを持つのはなにかが違うようで、なかなか踏み切れなかった。

そんな折、くじが発売された。
ddやミニリヴリーの当る通常のくじではなく、過去の限定アイテムが当るアイテムくじが。
その景品のなかに、雪もあった。
これで家族全員で雪が持てる!と喜び勇んではみたもののそうは甘くない。
くじ売り場の混雑ときたら。
今思い出してもはがゆい。
くじは楽しいけど、売り出しのたびのあの混乱には辟易させられる。
そのうえものの見事に外れたとあっては、やりきれない。
それでも、子供たちはぱぱ・ぷりんに連れられ無事にくじを、雪を手に入れた。
よかったね、と心から思う。
その反面、

「ゆぎ、もう雪なんていらない!」

とかんしゃくをおこしていたのだけれど。


そんなゆぎりんに、ふわりと幸運が降ってきたのはクリスマスの日
次男ふーたんの配る朝ごはんを食べながら、珍しいお客さんに目をぱちくりさせた。
とってもレベルが高く、とっても長生きな、真っ黒なケマリさん。
先日は島に設置されたすてきなそりで遊ばせてもらった。
あいさつもそこそこにケマリさんは

「雪はあたりましたか?」

などと。
えへへ、と笑いごまかしながらも正直に答える。
大先輩の前で見栄をはっても仕方がないから。
そして


サンタ帽を被ったケマリさんはまさにサンタ。
ありがとうありがとうと嬉しくて他に言葉がみつかりません。
もっとうまく、なにかすてきなお礼ができたらいいのに自分ときたら!
おまけに気の利かない飼い主が 『帰って来い』 と呼んでいる。
お礼をもう一度と挨拶をして、名残惜しく帰島した。

アイテムを詰め込んだ宝箱をそっと開く。
そこには黒ケマリさんからのすてきなプレゼントが輝いています。

「えへへ」

こうしてゆぎりん島に雪が降りました。
子供たちといっしょに雪を見ながらワングになったり、この時期特有の魔法でおもちゃや箱を溢れさせたり。
そういえば去年はこまちゃんが黒ワタメさんからすてきなプレゼントをいただいていた。

さまざまな不思議が溢れる、このリヴリーアイランドの世界では、サンタはきっと黒いのだ。





黒ケマリ、 ちいちゃさん に捧ぐ。
ちもしー&ゆぎりんより感謝をこめて!
ほんとにどうもありがとうございました。


2007-12-31 23:00  nice!(4)  コメント(2) 
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星に願いを [おはなし]



ねえ知ってる?
ないしょないしょのおねがいごと
かなえたいなら
お星さまを探さなきゃ







★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

今夏のリヴイベントに出品した絵本です。
博士からは このようにコメントを いただきました。

「ぼかしのきれいなイラストである。登場リヴリーたちの表情もよく描かれている。」

ネット上では (会場もか…) 中が見られないので、こちらに載せてみました。
画像が多いわ、でかいわで見づらいかも知れませんが、よかったら読んでやってくださいませ。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



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2006-09-05 03:15  nice!(19)  コメント(12) 
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移動遊園地の夜 [おはなし]

町に遊園地がやってきた。
大人どうし手をつないで夜の遊び場に出かけよう。
ピエロにもらった風船をもって、手品をみたり、占いをしたり。
ポップコーンを抱えて、ゆっくりと空を横切る観覧車に乗れば、ほら足元にも星が灯るよう。
お楽しみの最後はくるくる回るメリーゴーラウンド。
白い馬に二人で乗って、

「このままどこまでも走っていこうか」

なんて笑いあったりして。
するとどうでしょう、ふしぎなことに時間がするするとさかのぼってゆきます。
大人から少女、そして小さな子供へと。
彼も小さな少年です。

「久しぶりだね」
「こんなところであえるなんて思わなかった…」
「ふふ、初めて遊んだころみたいだね」

嬉しそうに笑う彼の姿がどんどん幼くなってゆきます。

「たいへん、このままじゃあかちゃんになっちゃうよ!」

慌てて彼の手を掴んで

「早く降りなくちゃ!」

いいのかい?
大人に戻ってまた現実を歩くのかい?
いいじゃないか、このまま子供でいようよ。
ささやく声を振り切って、えいや!と

二人手を取り合って、夢という名の馬から飛び降りました。

もとはもちろんブラッドベリ。
なんとなく書きはじめたら、こんなことに……。
欧米では遊園地は大人の行くところだそうです。大人が子供に還るために。
だから、夜にやっているんですって。


2006-04-12 07:04  nice!(5)  コメント(5)  トラックバック(0) 
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